老後を迎えるにあたって、何を不安に思うかは、年代によって認識が違うようです。
先日の金融庁の報告書にも掲載されていましたが、老後の不安について、50歳代以下、つまり 20歳代から50歳代までは「お金」が第1位となっています。
これに対して、60~70歳代では「お金」は第4位にランクダウンし、「健康」が第1位になっています。
この結果は少し意外な感じがします。歳をとるにつれて、お金に対する不安は和らいでいくのでしょうか。
これについては、二つの見方ができるように思います。
結構何とかなっている
一つ目の見方としては、50歳代まではお金のことを不安に思っていたが、実際に老後を迎えてみると、結構何とかなっているというものです。
仕事を辞めてしまうと、思ったより支出が減るという話も聞いたことがありますし、実際には60代や70代になっても仕事をしている(何らかの収入がある)人も多いのかもしれません。
仕事をしている人にとっては「健康」が生活を支える重要な要素でしょうから、アンケートの結果ともマッチします。
他に心配なことが増えた
二つ目は、お金の心配は依然としてあるが、それよりも健康とか介護のほうが心配になってきたという見方です。他のことも心配になってきた、ということもあるかもしれません。
この二つ目の見方に立つと、歳を取るということは、質量ともに不安なことが押し寄せてくることになってしまい、老後があまり楽しいものではなくなってしまいそうです。
お金に対する不安の絶対的水準が変わるのか変わらないのか、このアンケート結果を読み解くポイントはこのあたりのようです。
不安というものは、実際どうなったかということではなく、何を不安に思うかという将来に向けてのことですので、「見えないこと」「どうなるかわからないこと」を心配してしまうものです。
ゴルフでも、朝一のティーショットは不安なものですしね。しかし、意外とナイスショットだったり、逆にミスショットしても結果的にはそのほうがスコアがよかったり、結局何が幸いするかわかりません。終わってしまえば不安ではなくなります。
そう考えますと、定年世代が心穏やかに老後を迎えるためには、不安に思う気持ちに収まりをつけることが作戦としては正解かもしれませんね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。